人材育成

【著者が語る】データ主導の人材開発・組織開発マニュアル

半蔵門オフィス
南雲 道朋 代表

人事部門もデータを積極活用すべきと、最近とみに言われます。本書は、人材・組織のデータ活用は「社員意識調査」と「多面評価」の徹底活用が柱になるという考えのもと、その方法論を詳細に述べています。

人材・組織のデータを効果的に扱うための作法が3つあります。

第1に、社員の主観的な状況の把握を重視することです。社員が「良い組織」と感じているならば、その組織は「良い組織」であるとも言えるためです。そのため、本書では「社員意識調査」と「多面評価」に焦点を当てています。

第2に、どの問題・課題に取り組むべきか、優先順位の判断を重視することです。人材や組織というものは、「イノベーティブである一方規律を維持せよ」等、相反する要請の中にあり、常に何らかの問題・課題を抱えているからです。本書ではそのために、対象を2つのグループに分けて、うまくいっているグループとそうでないグループとでは何が違うのか比較して問題・課題やその要因を探っていく、シンプルな統計手法を提案しています。

第3に、組織の全体観を得るための一貫したフレームワークを持つことです。人材や組織の問題は多くのことが影響しあう複雑系であるため、すべての要因を考慮に入れられるようなフレームワークを持ち、常に一貫した視点で組織の状態を把握することで、組織メンバー間での認識の共有も進み、ミッション・パーパスやバリューの共有にもつながっていきます。本書では、そのようなフレームワークの紹介にも力を入れています。

以上の3つの作法を踏まえてデータを活用することで、人事部門はこれまで以上に組織に対する影響力を発揮することができるようになるはずです。本書では、具体的に理解いただけるよう、各章ごとに事例を交えたセミナー動画を用意しています。また、知識やスキルを深められるよう、参考文献の紹介も充実させています。

本書の活用を通じて、データ主導社会を、恐れることなく、回避することなく、自らが主人公となって乗り切っていただきたいと思います。

南雲道朋 著
産労総合研究所 出版部 経営書院、税込1,980円

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